コソボの首相、ハシム・サチさんが日本を訪問しています。
ご本人も日本行きを非常に楽しく思われていたようで、個人的にも
日本とコソボの交流が進む事は、凄く嬉しい事ですが、
日本の報道を見ていると、若干違和感を覚えるのは、私だけでしょうか。
安部首相とも約30分間にわたる首脳会談を行なっていますが、
その公開内容に疑問符があるんです。
1 冒頭
安倍総理大臣より,サチ首相の二度目の訪日を歓迎し,
日本にとり西バルカン地域は海を隔てた欧州の入口であり,
その西バルカンの安定にとり,同地域で最も若い国である
コソボの安定と発展は鍵である旨述べました。
2 二国間関係
安倍総理大臣より,日本側で今般日・コソボ友好議員連盟が
発足したことに触れ,議員間交流活発化への期待を述べました。
また,安倍総理より,日本がこれまで14億円の支援をコソボに
実施してきたことに触れ,今後ともコソボのニーズを踏まえ,
引き続き経済社会基盤の安定化を支援していきたい旨述べました。
これに対してサチ首相からは,日本がコソボ独立後コソボを
最も早く承認した国の一つとなったこと,及びこれまでのコソボに
対する支援に感謝する旨述べました。
3 共通の価値に基づいたグローバルな協力
安倍総理大臣より,「積極的平和主義」の立場から,
これまで以上に地域と国際社会の平和と安定に寄与していく旨説明し,
コソボ側から理解と支持を得ました。
4 コソボのEU加盟の努力
安倍総理大臣より,西バルカン地域の安定化に向け,
コソボがEU加盟を目指した改革を行い,セルビアとの対話を進めて
いくことへの支持を表明しました。
これに対してサチ首相からは,セルビアとの和平合意は,
地域にEUの精神をもたらし,地域の平和と安定,繁栄をもたらす
ものである旨述べました。
5 結語
サチ首相からは今後とも日本との協力関係を強化したい,
日本からの投資拡大をお待ちしている旨述べました。
以上、外務省HPから抜粋
http://www.mofa.go.jp/mofaj/erp/c_see/kosovo/page4_000442.html
コソボではなくバルカン地域の1つという枠組みなんです。
本当にそれで良いのでしょうか…。
個人的にはバルカン云々ではなく、コソボという国に対しての
見解を公表したり、国としてのコソボの尊厳を認めたりすることが、
コソボに対して日本が行うべきことだと思います。
なかなか簡単には行かないことなのかもしれませんが、
国として認めているのだから、もう少しコソボの立場を
明確にして欲しかったな‥というのが、私の想いです。
ただ今回のサチ首相の日本訪問が報道されることで、
コソボに対する日本人の全般的な理解度が上がるのであれば、
それはそれで良い結果なのだと思います。
コソボ紛争は既に終わっていますので、日本の教科書でも
そういうところをしっかり教えてもらいたいものです。